23時、飲み屋街でお客様を乗せて、大手町で降ろした。さて、どう戻るか。来た道を空車で引き返すのが、いちばん多い動きです。けれどその帰り道のオフィス街には、まだ明かりのついたフロアがある。終電ぎりぎりまで働いて、「もう電車はいいや」とビルを出てくる人がいる。クラスターサーチの残業需要マップは、残業の多い業種が密集するオフィス街だけを、夕方以降ヒートマップで示す機能です。付け待ちする場所ではなく、お客様を降ろしたあとの帰り道で「濃い区画を通って戻る」ための地図。このページでは、何を根拠にしていて、なぜ密集地だけなのか、どう使い、どんな日に外れるかを、現役ドライバーの検証にもとづいて解説します。

3秒で分かる:残業需要マップでできること

根拠と検証

要約

1. 残業帰りは、どこから出てくるか

22時を過ぎたオフィス街で、ビルから出てきた人がタクシーに手を上げる。深夜まで働いた人が、終電に間に合わない、あるいは間に合っても疲れて乗りたくない、という需要です。会食帰りと違って、飲んでいない。寄り道もしない。行き先は自宅で、まっすぐ帰る。だから乗車は堅く、郊外の自宅ならロングになります。

問題は、「どのオフィス街か」です。東京のオフィス街は広く、どこにでも残業はある。全部を塗れば、地図が一面オレンジになって、どこへ向かえばいいか分かりません。

残業の多さは、業種で大きく違います。商社・コンサル・IT・金融のように、夜遅くまで働く人が多い業種と、定時で帰る業種では、同じ「オフィス街」でも22時にビルから出てくる人の数がまるで違う。残業の多い業種が密集している場所だけが、タクシーの判断材料になります。

2. 何を根拠にしているか——国税庁・内閣府のデータ

残業需要マップは、国税庁・内閣府のデータなどをもとに、業種ごとの残業傾向と会社の規模をかけ合わせ、「夜遅くにタクシーを使う人が多い場所」を推定しています。公的統計にもとづく推定で、個々の会社の実態を見ているわけではありません。

クラスターサーチの機能は、それぞれ根拠の種類が違います。羽田は到着便の公開情報、街の需要は実測、繁華街ピンは店舗の営業時間、そして残業需要マップは公的統計。原因ごとに根拠を変え、ひとつの指標で全部を読もうとしない、という設計です。

統計の更新に合わせて毎年見直しています。個社の残業の実態は分からないため、「この会社は今日残業が多い」ではなく、「この区画には残業の多い業種が密集している」という読み方になります。

3. なぜ密集地だけなのか

残業需要マップがヒートマップを使うのは、繁華街ピンと違って「この店が0時に閉まる」のような点の情報ではなく、「この区画に残業の多い業種が集まっている」という面の情報だからです。ただし、面を塗るなら、絞らないと意味がない。

だから密集する場所だけを塗ります。残業の多い業種のビルが一棟だけある場所は塗らない。何棟も集まっている区画だけが、時間帯に応じて濃い区画から順に浮かび上がる。確度の低い需要は出さない——電車は運休だけ、ホテルは規模と需要の高い店だけ、高級店は3万円・20席以上だけ——という考え方と同じです。

濃さはメニューの「残業需要マップの濃さ」で調整できます。初めは標準のままで、濃い区画がどこに出るかを覚えるところから始めてください。

4. 使い方——付け待ちではなく、流しながら

残業需要マップは、付け待ちする場所を示す機能ではありません。ビルの前で待っていても、いつ誰が出てくるかは読めない。使い方は、お客様を降ろしたあとの帰り道を、濃い区画を通るルートに変える。これだけです。

  1. 22時を過ぎたら、地図でヒートマップが出ていることを確認する。月曜は出ません。濃い区画がどのあたりかを、ひと目見ておく
  2. お客様を降ろしたら、戻る方向にある濃い区画を探す。飲み屋街へ戻るなら、その途中で通れるオフィス街はどこか
  3. 濃い区画を、ゆっくり通る。大通りではなく、ビルの出入口がある通りを。手が上がればそれで1本
  4. 通り過ぎたら、繁華街ピンへ。残業需要マップは帰り道の「ついで」。主役は23時以降の繁華街ピンです

空車で戻る時間は、どの出番にもあります。その時間を、実車の可能性がある時間に変えるのが残業需要マップの役割です。1本でも拾えれば、空車で戻った場合との差は大きい。

5. 残業帰りと会食帰りの違い

残業帰り(残業需要マップ)会食帰り(高級店の王冠)飲み屋街(繁華街ピン)
出てくる時刻22時〜翌1時。ばらつくラストオーダー前後閉店の前後15分
行き先自宅へ直行自宅・ホテルへ直行もう一軒、駅、自宅
乗車の堅さ堅い。飲んでいない堅い近距離になりがち
使い方流しながら、帰り道で通り道で寄る赤いピンの通りへ閉店前に
根拠の種類公的統計(推定)各店のLO時刻店舗の営業時間

22時〜翌1時は、この3つが同時に動く時間帯です。飲み屋街の赤いピンへ向かう途中で、濃い区画を通り、通り道の王冠に寄る。一つのルートで3種類の需要を拾える夜が、深夜営業のいちばん効率のいい形です。

6. 一晩の手順

時間帯見るもの動き
17:00〜22:00(残業需要マップは夕方以降に表示されるが、主役はホテル需要・街の需要)濃い区画の位置を覚えておく程度
22:00〜23:00繁華街ピン・残業需要マップ降ろしたあと、濃い区画を通って飲み屋街へ戻る
23:00〜翌1:00繁華街ピン(赤)・残業需要マップ・終電の六角形ピン主役は繁華街ピン。帰り道で濃い区画と駅前を拾う
1:00〜繁華街ピン残業帰りは減る。飲み屋街に集中

月曜は残業需要マップが表示されません。月曜の22時以降は、繁華街ピンだけで組み立ててください。

7. 外れる条件・限界

よくある質問

残業需要マップが表示されません

月曜は残業が少ないため表示されません。また、夕方以降に表示される機能なので、昼間は出ません。火曜〜日曜の夕方以降に地図をご確認ください。

濃い区画で付け待ちすればいいですか?

付け待ちには向きません。ビルから誰がいつ出てくるかは読めないため、お客様を降ろしたあとの帰り道で濃い区画を通る、という流しの使い方が基本です。

何を根拠に塗っていますか?

国税庁・内閣府のデータなど、業種ごとの残業傾向と会社の規模をかけ合わせて、残業の多い業種(商社・コンサル・IT・金融など)が密集する場所を推定しています。個々の会社の実態ではなく、公的統計にもとづく推定です。

なぜ密集している場所だけなのですか?

残業はどこにでもあるので、全部を塗ると判断材料になりません。残業の多い業種のビルが何棟も集まる区画だけに絞ることで、「ここを通れば残業帰りに会いやすい」という使い方ができます。

残業帰りのお客様は、どこへ向かいますか?

自宅へ直行する方がほとんどです。会食帰りと違って飲んでおらず寄り道もしないため、乗車は堅く、郊外の自宅ならロングになります。行き先は個々に違い、アプリでは分かりません。

濃さを変えると、何が変わりますか?

メニューの「残業需要マップの濃さ」で、ヒートマップの見え方を調整できます。濃くすると塗られる範囲が広がり、薄くすると密集地だけに絞られます。初めは標準のままで、濃い区画の位置を覚えることから始めてください。

繁華街ピンと、どちらを優先しますか?

繁華街ピンです。残業需要マップは、お客様を降ろしたあとの帰り道で「ついでに」使う機能で、23時以降の主役は閉店ラッシュの繁華街ピンです。

データはいつ更新されますか?

統計の更新に合わせて毎年見直しています。日ごとの残業の増減(決算期・連休前後)は反映されません。

データの出どころ

情報源・更新頻度・既知の限界の一覧はデータソース・検証方法に掲載しています。

クラスターサーチは App Store(iOS)で配信中です(Android版は準備中)。対応エリアは東京23区・武蔵野市・三鷹市(武三地区)、14日間の無料トライアルはすべての機能を利用できます。画面の見方は公式ヘルプ(機能の考え方)にまとめています。

本ページは、クラスターサーチの「残業需要マップ」の仕組みと使い方を、現役タクシードライバーの検証にもとづいて解説したものです。表示は公的統計にもとづく推定であり、個々の会社の実態や乗車を保証するものではありません。