「9便・推定830人」。羽田乗り場タブに出るこの人数は、座席数に搭乗率を掛けた推定です。座席数は各航空会社の公式情報から確定できますが、搭乗率は、航空会社が便ごとに公開していません。だから予測になります。この記事は、その予測を予測のままにしないために何をしているか——羽田のターミナル周辺の人の数を実測して普段と比べ、差が大きい日はその日の実測で搭乗率を補正する手順を、限界まで含めて全部書いたものです。

ひとことで言うと:搭乗率の根拠が「統計」から「統計+当日の実測」になった

クラスターサーチの羽田乗り場予測は、到着便(羽田空港公式)→便名から機材・座席数(自前の辞書481便・34路線)→時間帯・曜日・国際線の搭乗率(国土交通省の航空輸送統計で予測)→到着ゲート→出口→乗り場(現場検証の対応づけ)、の順で乗り場ごとの人数を出します。この中で一番弱い環が、搭乗率です。統計は過去の平均であって、今日の羽田の実際ではない。

そこで、羽田のターミナル周辺(国内線・国際線)の人の数を1時間ごとに実測し、到着人数の元になる搭乗率を、その日の実測で補正することにしました。街の需要で主要38エリアの人の数を実測しているのと同じ種類のデータです。到着便の情報とは独立した、第2の根拠になります。

空港の人の数は、到着客の数ではない

ここが一番大事なところです。空港にいる人の数をそのまま到着客とみなすと、間違えます。ターミナル周辺の人の数には、出発を待つお客様、到着して出口へ向かうお客様、従業員や店舗の人、送迎の人、そして空港の真ん中を通る道路や駐車場の人が含まれます。タクシー乗り場に出てくるのは到着したお客様だけで、人数としては一番小さい。

だから、実測した人の数を到着客の数として使うことはしません。使い方は、次のとおりです。

どう使うか——「空港にいる人」を出し、普段と比べる

  1. 「空港にいる人」を出す:実測した人の数から、空港の需要と関係ない分(深夜の道路・駐車場など)を引く
  2. 普段と比べる:「空港にいる人」を、同じ曜日・同じ時刻の普段と比べ、「今日は普段より多い/少ない」を数時間の平均で見る。1本の便の塊で跳ねないように、なだらかに見る
  3. 差が大きいときだけ補正する:普段との差が大きく、かつ材料が十分なときだけ、搭乗率をその日の実測で少し補正する。差が小さいとき、材料が足りないときは補正しない
  4. 人数にだけ効かせる:補正は到着人数にだけ効く。便の質——路線・時間帯・機材からくるロングの出やすさなど——の判断は今までどおり

「普段の水曜なのに、今日は多い」。そういう日に、到着人数と流れの判定がそれを反映しやすくなります。逆に、普段どおりの日は何も変わりません。

どう確かめるか——補正前後を、全部記録する

補正の効き具合は、段階的に上げています。最初は記録だけで動かし、補正を効かせず、補正前後の数字をすべて記録に残す。現場の記録と照らし合わせて、様子を見ながら強める。「当たる」と言う代わりに、実測で裏づけを取り、根拠を残しながら精度を上げ続ける——これがクラスターサーチの検証の考え方で、羽田の搭乗率もその中に入りました。

変わらないもの

限界と、非公開にしているもの

なぜ、ここまで書くのか

「航空データを使っている」「APIで人数を取っている」という説明は、情報源の名前であって、精度の説明ではありません。航空会社が便ごとの搭乗率を公開していない以上、どのサービスでも便ごとの人数は推定です。違いが出るのは、その推定を何で確かめているかです。クラスターサーチは、公的統計で予測し、羽田周辺の人の数の実測で当日に補正し、補正前後の数字を記録し、現役ドライバーが現場で照合しています。手順・出典・限界・非公開の範囲は全部公開しています。

到着人数の元になる搭乗率を、羽田周辺の人の数の実測で当日に補正し、補正前後の数字を記録して精度を確かめている羽田のタクシー需要予測は、私たちの知る限り他にありません(2026年11月時点・自社調べ)。これは「最も正確」という主張ではありません。何をどう作っているかを全部書いた上で、同じ作りのものを私たちは知らない、ということです。違うものがあれば、この記事を直します。

ドライバーにとって、何が変わるか

羽田の使い方そのものは、羽田乗り場予測の仕組みと使い方のとおりです。向かう前に「流れ」と「プール」を見る。流れが悪ければ向かわない。流れが良ければ、ロング狙いか回転狙いか、自分のスタイルで乗り場を選ぶ。その判断の土台になる到着人数が、普段と違う日ほど、実際に近づく。それだけの話です。

よくある質問

搭乗率の実測値が分かるようになったのですか?

違います。便ごとの搭乗率は、依然として分かりません。羽田周辺の人の数を実測して普段と比べ、差が大きい日に、その分だけ搭乗率を補正しています。

人数の表示は変わりますか?

表示の形は変わりません。普段と大きく違う日に、推定人数の土台になる搭乗率が補正されます。アプリの更新は不要です。

国際線も対象ですか?

はい。国内線・国際線の両方のターミナル周辺で人の数を実測し、同じ仕組みで扱います。

的中率は出ますか?

出しません。条件で変わる数字を1つにすると誤解を招くこと、供給側(空車台数)は読めないため「乗れたか」で測ると需要の精度を測れないこと、保証と読まれることの3つが理由です。代わりに、この記事のように手順と限界を公開しています。

まとめ

搭乗率は予測です。それを、羽田周辺の人の数の実測で、普段と比べて、差が大きい日だけその日の実測で補正する。補正は人数にだけ効かせ、便の質の判断は変えない。補正前後を全部記録して、段階的に強める。画面は変わらない。手順・出典・限界・非公開の範囲は全部公開する。クラスターサーチが訴えたいのは「当たる」ではなく、根拠の密度です。

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本記事は、クラスターサーチの羽田乗り場予測における搭乗率の当日補正を、現役タクシードライバーの目線で解説したものです。表示はいずれも目安であり、乗車や営収を保証するものではありません。料金・無料期間・対応エリアは変わることがあります。最新の情報はApp Storeの表記と公式サイトをご確認ください。