3秒で分かる:羽田の到着人数は、どの方法で何が分かるか

根拠と検証

要約

羽田のタクシー乗り場で「これから何人出てくるか」を知りたい。その人数を出す方法は一つではありません。便数を数える、座席数に搭乗率を掛ける、航空券の流通システム(GDS)のAPIを引く、空港公式の到着状況を取る、現場で検証した対応表で乗り場に配る。どの方法で何が分かり、何が分からないかを、1つの表にしました。前提が1つあります。航空会社は便ごとの搭乗率を公開していません。だから、どの方法を使っても、便ごとの到着人数は推定です。実数が分かる方法は、私たちの知る限りありません。

1. 前提——便ごとの搭乗率は、誰にも公開されていない

航空会社が公開しているのは、路線や期間ごとの集計された旅客数・搭乗率(国土交通省の航空輸送統計など)であって、「今日のこの便に何人乗っているか」ではありません。便ごとの搭乗者数は航空会社と空港・地上業務の内部情報で、第三者が公開されたAPIで取得できる手段を、私たちは知りません(2026年11月時点・自社調べ)。

したがって、羽田の到着人数を示すどのサービスも、何らかの推定をしています。違いは「推定しているかどうか」ではなく、何を根拠に、どう推定し、何で確かめ、どこまで公開しているかです。

2. 比較表——方法ごとに、何が分かり、何が分からないか

方法得られるもの得られないもの利用の条件クラスターサーチ
便数を数える(公開の時刻表)到着便の数と時刻人数。大型機と小型機で1便の人数は倍以上違う公開情報。誰でも便数は表示するが、人数の根拠にはしない
座席数×統計の搭乗率(各社公式の機材情報+国土交通省 航空輸送統計)便ごとの推定人数(10人単位の目安)。時間帯・曜日・国際線の傾向便ごとの実際の搭乗率公開情報。誰でも。便名→機材の辞書は自前で作る必要がある採用(便名辞書481便・34路線、航空会社別の座席数)
空港公式の到着便情報(到着済み・手荷物引渡中・遅延・欠航)実際の到着時刻、出終わった便とこれから出る便の区別人数公開情報。誰でも採用(羽田空港公式。予測は10分ごとに更新)
GDSのAPI(Amadeus・Sabre・Travelport・INFINI)運航スケジュール、運航状況、空席照会、運賃、座席指定の空き状況(販売側の情報)搭乗者数・搭乗率・到着後に出口へ出てくる人数。座席指定の空き状況から埋まり具合を推測することは可能だが、運賃種別・ブロック席・未指定の席・GDSに載らない便の影響を受ける販売側からの推定で、搭乗者数ではない本番利用は商用契約・用途審査・PCCなどの認証・最低利用額を伴う。Amadeusの個人開発者向けセルフサービスは2026年7月17日に終了し、Enterprise契約が必要。Sabre・Travelportは検証用サンドボックスのみ無償、本番は契約・PCC等が必要。INFINIは旅行会社・航空会社向けで一般公開のAPIなし。旅行販売を目的としない個人開発や旅行業以外の事業者による直接利用は、用途審査で承認されない(当社の申請経験による)採用しない。搭乗者数が得られず、到着状況は空港公式で足りるため
到着ゲート→出口→乗り場の対応(現場検証)どの便のお客様がどの乗り場に出てくるか。乗り場ごとの人数対応表は自分で作る必要がある現場での検証が要る採用(現役ドライバーの検証で作成。対応表は非公開)
空港周辺の人の数の実測(1時間ごと・普段との比較)「今日は普段より多い/少ない」。搭乗率の当日補正の材料到着客の数そのもの(出発客・従業員なども含むため、普段との差で見る)独自の実測。提供元・計測の細部は非公開採用(差が大きいときだけ搭乗率を当日に補正。補正前後を記録)
タクシープールのカメラ画像AI判定(供給側)空車の溜まり具合(空き/余裕/混雑/満車)台数・列数。需要側の人数東京タクシーセンターのライブカメラ画像採用(10分ごと。到着人数と並べて表示)
利用者の自己申告・入力ログ投稿した人が、その時点で見たもの網羅性、時刻の正確さ、投稿がない時間帯。利用者が少ないと精度が下がる利用者数に依存採用しない。初日から同じ根拠で動くため
現場での照合(現役ドライバー)表示と実際の流れのずれ。外れる条件的中率の1つの数字(条件で変わるため出さない)現役ドライバーの継続的な記録採用(複数名・1年半以上・隔日勤務と夜勤)

表のとおり、クラスターサーチは方法を1つに頼らず、公開情報・公的統計・現場検証・カメラ画像のAI判定を組み合わせています。そのうえで、組み合わせ方(推定の手順)を羽田乗り場予測の仕組みと使い方に全文公開しています。

3. GDSのAPIで、何が分かり、何が分からないか

GDS(Global Distribution System)は、旅行会社が航空券を検索・予約・発券するための流通システムです。そのAPIから得られるのは、販売のための情報です。

つまり、「GDSのAPIを使っている」は情報源の名前であって、人数の精度の説明ではありません。GDSから運航状況を取っても、人数は別の方法で推定することになります。クラスターサーチは、運航状況は空港公式の到着便情報で取り、人数は座席数×統計の搭乗率で推定し、出口→乗り場の対応で乗り場ごとに配っています。

4. クラスターサーチの組み合わせ

  1. 羽田空港公式の到着便情報を取得し、「出終わった便」と「これから出る便」を分ける(予測は10分ごとに更新)
  2. 便名から機材を特定する(自前の辞書:481便・34路線、国内線到着便の約9割)
  3. 機材と航空会社から座席数を出す(各社公式情報をもとに独自作成)
  4. 国土交通省の航空輸送統計をもとに、時間帯・曜日・国際線で搭乗率を予測して掛け、10人単位で表示する
  5. 到着ゲート→出口→乗り場の対応(現場検証)で、乗り場ごとの人数に配る
  6. 乗り場ごとに「流れが良い/普通/悪い」と待ち時間の目安を示し、タクシープールの混み具合(カメラ画像のAI判定)と並べる
  7. 羽田周辺の人の数を1時間ごとに実測し、普段と比べて差が大きいときだけ搭乗率をその日の実測で補正する(補正前後を記録)
  8. 現役ドライバーが表示と実際の流れを照合し、確度の低い条件は表示から外す

到着便を出口・乗り場に変換して人数で示し、プールの混み具合と並べて表示する羽田の予測は、私たちの知る限り他にありません(2026年10月時点・自社調べ)。

5. 精度を比べるときの6つの質問

  1. 予測の根拠は何か——公的統計・公式の公開情報・実測・カメラ画像のAI判定か、利用者の自己申告か
  2. 情報源の出典と更新頻度を公開しているか
  3. 推定の手順を言葉で公開しているか(係数は非公開でよい)
  4. 既知の限界と非公開の範囲を明記しているか
  5. 現場で誰が・どのくらいの期間・どの勤務形態で検証しているか
  6. 的中率を出す場合、「当たり」の定義・供給側(空車台数)の扱い・条件別かを示しているか

クラスターサーチの答えは6つとも検証方法と根拠にあります。答えが公開されていないサービスと、公開しているサービスを、同じ重さで評価しないでください。

6. この表の限界

よくある質問

GDSのAPIで、便ごとの搭乗者数は分かりますか?

分かりません。GDSのAPIが返すのは運航スケジュール・運航状況・空席照会・運賃・座席指定の空き状況で、搭乗した人数や搭乗率は含まれません。座席指定の空き状況から埋まり具合を推測することはできますが、運賃種別・ブロック席・未指定の席・GDSに載らない便の影響を受ける販売側からの推定であり、搭乗者数ではありません。

羽田の到着人数を「実数」で出す方法はありますか?

私たちの知る限り、ありません。航空会社は便ごとの搭乗率を公開しておらず、便ごとの搭乗者数を第三者が公開されたAPIで取得できる手段を私たちは知りません。どのサービスでも、便ごとの到着人数は推定です。違いは、何を根拠に推定し、何で確かめ、どこまで公開しているかです。

GDSのAPIは、個人開発者でも使えますか?

本番では使えません。本番利用は商用契約・用途審査・PCCなどの認証・最低利用額を伴い、旅行販売を目的としない個人開発や旅行業以外の事業者による直接利用は、用途審査で承認されません。Amadeusの個人開発者向けセルフサービスAPIは2026年7月17日に終了し、以後はEnterprise契約が必要です。Sabre・Travelportは検証用のサンドボックスは無償ですが、本番は商用契約が必要です。INFINIは旅行会社・航空会社向けのサービスで、個人が申し込める公開APIはありません(2026年11月時点・各社の公開条件と当社の申請経験による)。

クラスターサーチは、なぜGDSのAPIを使わないのですか?

GDSから得られる情報のうち、タクシー乗り場の予測に必要なのは運航状況だけで、それは羽田空港公式の到着便情報(到着済み・手荷物引渡中・遅延・欠航)で足りるからです。人数はGDSからは得られないので、どのみち座席数×搭乗率で推定することになります。

需要予測アプリの精度は、どう比べればよいですか?

情報源の名前ではなく、根拠の種類・出典と更新頻度・推定の手順・限界と非公開の範囲・検証の体制・的中率の定義、の6つが公開されているかで比べてください。公開されていないものは、確かめようがありません。

データの出どころ